リニューアボー 自然エネルギー政策研究所 Institute for Renewable Energy Policies

2012年7月の記事

日本の伝統的な家屋におけるエコな仕組み

 

世界中の伝統的な家屋と同様に日本の民家でも、その地域の自然環境に適合した住み良い住環境を生み出す仕組みがあふれていました。現代の家屋では、快適な環境を得るために、石油や電気をふんだんに消費することを前提として設計されています。つまり私たちの住宅は多くの場合環境適合的ではありません。日本の環境に適した住まいの在り方のヒントは、古来の民家の中にたくさん見つけることができます。

太陽光に配慮した伝統的な家屋(日本民家園)

太陽光に配慮した伝統的な家屋(日本民家園)

日本の家屋の特長は、太陽の光と風の取り入れ方にあります。特に湿度の高い日本では、夏涼しく過ごす工夫が数多く見られます。多くの民家では、強い夏の日差しを遮るため、分厚い茅葺きの屋根を採用しています。また、夏の高い角度の太陽を遮り、冬の低い角度の太陽光を屋内に取り入れるように、地域毎に軒(のき)や庇(ひさし)の出方を調整しています。母屋の裏側に森を配置するのは、風よけだけでなく夏場に涼しい風を屋内に取込む工夫でもあります。日本の民家は風を上下左右に入れたり、防いだりすることで、温度や湿度の調整をするようにし、快適に過ごせるように工夫していました。

 

通風を活かした商家の座敷(日本民家園)

通風を活かした商家の座敷(日本民家園)

このように、太陽の光や熱、風の流れを取り入れることで、現代のマンションやオフィスビル、住宅に取り入れることで、エアコンを使わないで快適に過ごす工夫をすることが可能です。また、冬場に関しても断熱性能を高めることで、年間を通して冷暖房を殆ど必要としないエコ住宅をつくることも可能です。実際にこのような発想をもとにした住宅の建設も進んでいます。

 

日本の民家の知恵を活かした現代版エコ住宅「里山長屋暮らし」

日本の民家の知恵を活かした現代版エコ住宅「里山長屋暮らし」

 

東松島市での「環境未来都市構想」近日レポートします。

自然エネルギー研究会では先日、宮城県の東松島市で進められている「環境未来都市」の視察に行って来ました。

 

被災地復興の邪魔になっては行けないと、しばらく行くのをためらっていたのですが、元菅事務所秘書で現神奈川県会議員の中谷一馬氏を通し、現地と連絡をとってみると「むしろ早く取材に来て状況を知らせて欲しい」とのことでしたので、思い切ってお邪魔しました。現地のレポートを近日アップいたします。意欲的な被災地の取り組みです。ぜひ、お読みください。

 

 

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